長尾一洋長尾一洋

「キングダム」映画化

2018-10-09

 週刊ヤングジャンプに連載中の大人気漫画、「キングダム」の実写映画が2019年4月19日に公開されることが発表された。「キングダム」はもちろん読んでいるのだが、実は、2016年に「『キングダム』で学ぶ乱世のリーダーシップ」(集英社)という本を書いてから、勝手に「キングダムファミリー」の一員だと考えているので、この映画化は我が事のようにとても嬉しいし、「キングダム」の魅力が映像となってさらに多くの人に伝わることを大いに期待したい。
 ちなみに、映画「キングダム」の公式サイトはこちら⇒https://kingdom-the-movie.jp/index.html
 予告動画もあるので、是非ご覧ください。

 主人公の信役は、連載10周年の記念動画でも信役を演じた山崎賢人。まぁこれは予想通りというか既定路線だったのだろうが、これまた嬉しいのは、信の相棒というかパートナー、河了貂役に我がNIコンサルティングのAI秘書「Sales Force Assistant」のイメージキャラクターでもある橋本環奈ちゃんが登場することだ。これも勝手に言うがNIファミリーである。ファミリーの映画にファミリーが出るわけだから応援しないわけにはいかない。河了貂になり切ってショートヘアーになっている環奈ちゃんも可愛い。
 信と並ぶ主人公と言ってもいい政/漂を演じる吉沢亮もイメージにピッタリでなかなか良い。ファミリーではないが嬉しいのが、山界の女王、楊端和役の長澤まさみちゃんだ。北川景子でも良かったが、楊端和は美しくかつ強くなければならないので長澤まさみちゃんの方がイメージに近いかな。
 忘れてはならない登場人物が、信を将軍へと導く大将軍、王騎だ。この役が大沢たかお。うーん、悪くはない。決してイヤなわけではないが、もうちょっとゴツい感じで、鈴木亮平あたりが良かったような。そうするとNHK大河の西郷どんと被ってしまうか・・・。そこに楊端和が北川景子だったら、西郷と篤姫になってしまって具合が悪かったから、まぁいいことにしようかな、と思ったが、大沢たかおと長澤まさみと来たら、「世界の中心で愛を叫ぶ」になってしまうじゃないか・・・。まぁ許そう。
 そんなどうでもいいことを考えながら、来年4月の公開を心待ちにしている。私は、「キングダム」からリーダーシップと孫子の兵法を学び取ってもらいたいと考えているから、この映画をキッカケにして、リーダーとは、将軍とは、国王とは、どうあるべきかを考えてみて欲しいし、拙著「『キングダム』で学ぶ乱世のリーダーシップ」も是非映画を見る前に読んでおいて欲しいと思う。


 「キングダム」は単に面白おかしい漫画ではなく、秦の始皇帝が中華統一を果たす史実も織り込まれた作品であり、群雄割拠の戦国時代をどう生き抜くかという戦略やリーダーシップを学ぶとても良い教科書だと思う。まだ漫画を読んでいないという人は、漫画だとバカにせず一気に大人買いして読んでみることをおすすめしたい。映画の前に読むか映画を見てから読むかはお好きにどうぞ。いずれにしても「『キングダム』で学ぶ乱世のリーダーシップ」も読んでリーダーシップについて学ぶことをお忘れなく。

トリプル記念の特別セミナー

2018-07-12

 前回、4月16日に書いた「修羅の都」で、「武田家滅亡」「西郷の首」「武士の碑」「義烈千秋 天狗党西へ」「王になろうとした男」「天地雷動」などで知られる人気歴史小説家、伊東潤先生に、戦国武将がいかに最新のテクノロジーを使いこなしたか、拙著「AIに振り回される社長 したたかに使う社長」とも絡めて語ってもらえればと考えている、と書いたのだが、それがついに実現した。
 伊東先生の話が連投になるが、途中更新をサボっていたので已む無し。お付き合い願いたい。
 伊東先生とのコラボは、7月11日、東京品川、THE GRANDHALLで500名の受講者を集めて実現した。ちょっと会場が狭くてギュウギュウに詰め込まれる感じになるのが玉に瑕の会場なのだが、会場の雰囲気はこんな感じだ。


 セミナーは「歴史と古典に学ぶ最新テクノロジーの活かし方」と題して、第一部基調講演「戦国と幕末のイノベーター織田信長と鍋島閑叟」を伊東先生、第二部「フィードフォワード経営は孫子の兵法だった」を孫子兵法家、私、長尾が担当するという二部構成だ。
 せっかく伊東先生をお招きするのだから、普通のセミナーでは面白くない。特別仕立にしたい。スペシャルでなければならない。ということで、拙著「AIに振り回される社長 したたかに使う社長」出版記念、弊社が98年から提供するSFA「顧客創造日報/Sales Force Assistant」発売20周年記念、そして弊社が提供する「可視化経営システム」導入社数5000社突破記念のトリプル記念セミナーとした。いちいち3つ言うと長ったらしいので、「特別セミナー」。なんともひねりがないが、仕方ない。特別と銘打つからには500名は集めなければならない。そこでTHE GRANDHALL。弊社の本社から近くていいのだが、ちょっと狭い。コクヨホールがあったらコクヨにしたかったけど、なくなったし・・・。あったとしてもコクヨホールは300名規模だったので、500名なら狭くてもギュウギュウでも我慢するしかなし。
 伊東先生には、織田信長や鍋島閑叟の話はもちろんだが、IBMなど外資系IT企業にお勤めになっていた経験も踏まえ、なぜテクノロジーをうまく使いこなせないのか、なぜ信長や閑叟はテクノロジーの大切さに気付き、それを使いこなしたのかについて分かりやすく解説していただいた。過去に成功体験がある人間ほど新しい技術を否定的にとらえてしまうという指摘は、まさにその通りだと思う。
 伊東先生と言えば、歴史小説家と呼んでしまいたくなるのだが、最新作の「ライトマイファイア」や「横浜1963」など現代物の小説にも果敢にチャレンジしておられて、「歴史」をとってしまわねばならない。先生によると、時代小説、歴史小説という分野に固執していると読者はどんどん減って行ってしまうとのこと。どの分野においても新たなチャレンジは必要ということだろう。
 先生の著作をご紹介いただいているシーンがこちら。


 今回のセミナー的には、やはり歴史に強い伊東先生ということであり、著作としては武田対織田・徳川の長篠合戦を描いた「天地雷動」がおすすめだ。私も以前から織田信長の鉄砲活用の事例として長篠合戦については取り上げていたのだが、「天地雷動」を読んで、「なるほどそういうことか」「そういう見方があったか」と感銘を受けた。是非お読みいただきたい。
 第二部にも多少触れておくと、「AIに振り回される社長 したたかに使う社長」で提唱した「フィードフォワード経営」が実は孫子の兵法に裏打ちされたものであるということをコッテリ90分お伝えした。命をかけ、国の存亡をかけた戦争に「事後」はない。すべては「事前」に考えられ、段取りされ、勝利が意図されていなければならない。事後に反省する「フィードバック」は生き残っていれば意味はあるが、死んでしまってからでは意味がない。すべては先に知り、先に考える先知先考管理、すなわち「フィードフォワード」でなければならない。今回、改めて孫子の兵法を「フィードフォワード」というキーワードで整理してみて、孫子の凄味を感じたし、「フィードフォワード経営」を孫子兵法家が提唱する意義を感じた。また別の機会にでも孫子の兵法と「フィードフォワード」について語ってみたいと思う。

修羅の都

2018-04-16

 「武田家滅亡」「西郷の首」「武士の碑」「義烈千秋 天狗党西へ」「王になろうとした男」「天下人の茶」などで知られる人気歴史小説家、伊東潤先生の「修羅の都」(文芸春秋刊)を読んだ。鎌倉幕府を開いた源頼朝と北条政子の物語だ。
 表紙をパシャリ。印象的な表紙だ。

修羅の都

 表紙の絵はちょっと怖いが、北条政子が思っていたよりも優しい女性として描かれていた。頼朝よりも政子の方が怖いイメージだったのだが、武士の世を作るために、修羅の如く、歯向かう人間を粛正していく頼朝。その因果かどうか、晩年には人を信じられなくなる頼朝。平家を倒し、公家の勢力を抑えながら武士の世を切り拓いた成功ストーリーでありながら、何とも切なく悲しい物語でもある。
 作者は、日本IBMなどの外資系企業を経てコンサルティングも行っていた経歴の持ち主である伊東潤先生。地元神奈川を舞台にしたものでもあり、北条、武田あたりの東国武将を得意とされる伊東先生ならではの作品である。鎌倉幕府、源頼朝をこのような切り口で描いた作品は他にはないのではないかと思う。
 内容はもちろんなのだが、本書を読んでテンションが上がった理由がある。実は、伊東先生のサイン入りの本だったから。サインはこちら。

サイン画像

 余計な言葉などは削ぎ落し、名前がドーン。この潔さがいい。私にもこんな潔さが欲しい。サインは豪快だが、小説は綿密な取材と研究によって緻密に書かれている。そして深い心理描写。本書でも権力者やそれを取り巻く人たちの心の揺らぎを見せてくれる。
 伊東先生は、歴史に詳しいのは当然ながら、元々IBMにいたくらいだから、最新のテクノロジーにもお詳しい。その不易と流行を知る知見を是非多くの人に伝えてもらいたいと思って、先生の講演会を企画している。乞うご期待。戦国武将がいかに最新のテクノロジーを使いこなしたか、拙著「AIに振り回される社長 したたかに使う社長」とも絡めて語ってもらえればと考えている。
 鎌倉時代も戦国時代も幕末も1963年の横浜も、独自の視点で楽しませてくれる伊東先生に感謝。

AIに振り回されるか使いこなすか

2018-04-02

 人工知能(AI)やIoT、ビッグデータ、ロボット、Fintechだ何だと、連日テレビや新聞、雑誌で目にし耳にする。中には、「第4次産業革命」であると言う人もいる。私の会社でも仕事の生産性を上げる「AI秘書」を提供していて、新聞広告なども出しているから、AIブームの一翼を担っていることになるのだろう。だが、30年も経営コンサルタントをしていると、産業用ロボットによる「無人化革命」に始まって、「PC革命」「インターネット革命」「IT革命」「モバイル革命」「ユビキタス革命」等々、どれだけ革命を起こすのかと言いたくなるくらい多くの革命を経験して来たので、あまり大袈裟に騒ぐ必要はないのになと思うことがある。
 一方で、テクノロジーの進化は確かにあって、それまで不可能だと思っていたことが実現できていたり、SF映画の中の話だと思っていたことが現実になっていたりもするので、決して無視はできないし、そのテクノロジーをうまく導入し、使いこなして企業経営を変革させ、成果をもたらしたいと常日頃考えている。
 そんな経営コンサルタント歴30年の経験を踏まえて、テクノロジーの進化に振り回される社長や企業と、それらをしたたかに、うまく活用して経営を革新する社長や企業がいることを本にまとめてみた。その本がこちら、「AIに振り回される社長 したたかに使う社長」(日経BP社)である

AIに振り回される社長 したたかに使う社長

 そのまんまのタイトルじゃないか!と突っ込みたくなるだろうが、本のコンセプトをよく表した書名だと思ってもらいたい。「振り回され社長」と「したたか社長」が登場して、なぜ振り回されるのか、なぜうまく使いこなせるのかを明らかにする。もちろん、どうすれば、人工知能(AI)やIoT、ビッグデータといったテクノロジーを活かせるかについても分かりやすく解説している。
 そのポイントはドメインシフトとフィードフォワード。特にフィードフォワードについては「フィードフォワード経営」というコンセプトで整理して、どのように企業経営の革新に活かせば良いか、テクノロジーをしたたかに使えば良いかを説明してみたので、是非読んでいただきたい。
 フィードバックという言葉は一般によく使われるが、フィードバックというくらいだから、過去に対する振り返りであり、相手を評価したり批判する要素が含まれやすい。もちろん褒めるというポジティブなフィードバックもあるのだが、そこには必ず上から目線の評価が含まれていて、フィードを受ける側は素直に受け取れなかったりする。
 それに対してフィードフォワードとは、未来に対する働きかけであって、前向きな支援やアドバイスが含まれており、受け取る側も受け入れやすい。これからやろうとすることに対してフィードされるので、すぐに役に立つし、当然結果にもつながりやすい。問題は、フィードのタイミングであって、事前に届ける(フィードする)ことができないと意味がなくなる。そこでテクノロジーを用いるのだ。
 フィードバックもフィードフォワードも制御工学の用語であり昔からあった言葉だが、テクノロジーの進化と普及によって、事前に先行情報をつかんで、事前に制御内容をフィードするということが可能になったのだ。
 産業革命並のインパクトがあるなら、避けて通ることはできないし、それほどではなくてもすでにIoTやAIの普及は始まっているのだから無視もできないだろう。そうであるなら、早めに取り入れてしたたかに使いこなす方法を考えるべきだ。「AIに振り回される社長 したたかに使う社長」(日経BP社)でその具体的な方法をつかんでいただきたい。

AI・IoT・ロボットの時代

2018-01-26

 新聞を読んでも、テレビを見ても、AIや自動運転、IoTやロボット、ドローンやAIスピーカーなどの話題が溢れている。その片棒を担ぎたいわけではないが、弊社でも橋本環奈ちゃんをイメージキャラクターに起用して「AI秘書」の広告を打っている。そういう時代が来るであろうことは分かっていたから準備もして来たわけだが、いよいよ今年はIoTの普及が本格化して、AIの出番も増え、「IoT元年」「AI元年」と呼んでいい年になるだろう。
 そう考えて、毎年1月に行っている全社員を集めて経営方針の発表などを行う「全社大会」の行先を、今年はラグーナテンボスの「変なホテル」にした。長崎のハウステンボスではなく、愛知県蒲郡市のラグーナテンボス。長崎まで行くと高いので、蒲郡で我慢(笑)。
 「変なホテル」のコンセプトは、ホームページから引用すると『「変なホテル」は先進技術を導入し、ワクワクと心地よさを追求したロボットホテルです。 フロントでは多言語対応のロボットたちがチェックイン・チェックアウトの手続きを行い、温かみを感じるロボットたちとの楽しいひとときに、心をくすぐられることでしょう。「変」には「変化しつづける」という意思が込められ、目指すは、常識を超えた先にある、かつてない感動と快適性。そんな「変なホテル」は「初めてロボットがスタッフとして働いたホテル」として、ギネスにも登録されました。』だそうだ。AI・IoT・ロボットの時代を感じるのに最適なホテルである。
 出迎えてくれるのは、人型ロボットではなく恐竜ロボットだ。見た目は怖いのに、声は女性の声。こんな感じの恐竜だ。

変なホテル

 団体でのチェックインなので、恐竜君を相手にチェックインすることはなし。見て終わり。部屋にはすごいロボットがいるに違いないと思ったが、恐竜のぬいぐるみに覆われたタブレットが置いてあった。あとは廊下にお掃除ロボットが堂々と置いてあったが、市販のものと同じような感じでワクワクはせず。
 気分を変えて、夕食へ。Chef’s try tableというレストランで、あの落合シェフプロデュースのイタリアン。いつもの宴会気分にはなりにくいお洒落な感じ。ロボットが接客するわけではないが、やはり人員を削減しているのか、省人数で回そうという空気を感じる。せっかくだから、ドリンクの注文くらいはロボットにとらせるようにして欲しかったが、贅沢は言わずに我慢。
 そこで、2017年に活躍してくれた優秀社員の表彰も行なった。その名も「NI大賞」。社員からの推薦によって候補が上がり、役員で議論して5部門の大賞を決定する。この社員からの推薦というか投票が面白い。目立たないところでも頑張ってくれている人を周りの人はよく見ているなと思う。もちろん目立つところで活躍した社員にも票が集まる。この辺りのバランスを考えながら決定するのだが、活躍する人は毎年活躍したりするから殿堂入りも考えないといけないな。
 そんなこんなで、未来を感じた「変なホテル」を出発し、2日目は過去にトリップするべく浜松城に向かう。浜松城は、天下人となった徳川家康のかつての居城であり、歴代の浜松城主の多くが幕府の重役に出世した例が多いことから出世城と呼ばれている。それにあやかるべく浜松城に入城。出世城の割に小さい・・・。富士山が見えそうだったが、雲がかかってよく見えず。残念・・・。仕方がないので、「若き日の徳川家康公」像をパシャリ。

若き日の徳川家康公

 徳川300年の礎を築いた徳川家康にあやかって、NIコンサルティングの経営も盤石なものにしたいと思う。AI・IoT・ロボットなど最新のテクノロジーが幅を利かせる時代だからこそ、時を経ても変わらないものを大切にしなければならない。ちなみに、「先見と本質」が我が社の社是である。AI・IoT・ロボットの時代に、「先見と本質」を踏まえどういう経営をしていくべきか、引き続き提言していく所存である。

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