長尾一洋長尾一洋

負けない生き方

2015-12-30

 年の瀬に、奨学金を返せない人が多いとか、貧困の連鎖だとか、下流老人とか、老後破産とか、悲しい記事を連続して見てしまった。老後はともかく、20代30代で奨学金も払えないなんてことはないだろうと思ったが、記事を読んでみると、働いていても非正規雇用で、生活がギリギリとなると、たしかに支払いに窮する人もいそうだなと思う。
 せっかく勉強しようと思って奨学金を借りたのに、その奨学金の返済もできないようでは何のための進学であり勉強だたのかと突っ込みたい気もするし、そういう自業自得な人もいるだろうが、親が亡くなったとか、介護が必要で仕事を辞めざるを得なかったなどの事情もある。そんな状況で数百万の借金があるとなったら、たしかに辛い。
 老後は誰しもが、身体が思うように動かなくなり、職もなくなっていくだろうから、これから高齢者比率が上がっていく中で間違いなく社会問題になるだろう。政府も介護離職ゼロを目指すと言っているが、本当にできるだろうか。育児ならあと何年頑張れば、と先も見通せるが、介護の場合はいつまで続くか分からない。育児休暇が取れるかどうかと言っている状態で、介護休暇が取れるのか。一年後には復帰の予定だった休暇取得者が、急に復帰できないとなった時、介護している親を放っておいて会社に来いとは言えないだろう。今後は待機児童よりも待機老人の方が多くなるだろうから、施設にもそう簡単に入れられない。
 ちなみに、うちの親も要介護で施設のお世話になっているが、それなりにコストもかかるし、入れっぱなしで放っておくわけにもいかず、手間もかかる。もし、この施設に入れられず、自宅で介護するとなった場合を想像してみても、かなり大変であることは間違いない。そしてその状態がいつまで続くか分からない。子供は生まれて6年もしたら小学校に行き始めるが、老人はどうなるかが読めない。中には元気になる人もいるかもしれないが、普通は徐々に介護度も上がり、手間とコストが高くなる。先が見えない中で、じわじわと負担も重くなるというのは辛い。だんだんと手が離れる育児とは逆だ。
 これは企業としてもなんとかしないといけない問題だろうと思う。だが、なかなか難しい問題だな。智恵を絞ろう・・・。
 そして、当然、個々人としてこうした状況に陥らないように備えをしておく必要がある。人生はいつかは終わるが、いつ終わるか分からない長期戦。数十年にもおよぶものだから、目先のことだけを考えていてはいけない。目先の勝った負けたではなく、長期戦で負けない生き方、負けない仕事の仕方ができるかどうか。負けないとは、現役引退後も元気で、家族や社会に面倒をかけなくても生きていける状態をキープすること。勝とうとするのではなく、負けないようにする。それがまずは大事だ。
 孫子の兵法でも、「昔の善く戦う者は、先ず勝つ可からざるを為して、以て敵の勝つ可きを待つ。」と、まずは負けない備えをしてから、勝つチャンスを待てと教えてくれている。拙著「仕事で大切なことは孫子の兵法がぜんぶ教えてくれる」(KADOKAWA)を是非読んで、負けないための人生や仕事について参考にして欲しい。

仕事で大切なことは孫子の兵法がぜんぶ教えてくれる

 そして、健康寿命を延ばすことも考えよう。いくら長生きできても、寝たきりではつらい。事故や病気の備えは難しくても体力維持くらいはできるだろうし、弱ってからでは散歩もできない。と、偉そうなことを言っている自分自身が運動不足で何もしていないから、2016年は負けないために何か始めてみようかな。
 負けない生き方が求められている。

孫子四部作

2015-12-01

 昨年、「孫子三部作」が揃ったことを報告したので、ここでまた報告しないのもなんだかおかしい気もするし、また同じようなことばかり書きやがってと思われるようで気が引けたりもするのだが、およそ一年ぶりに「孫子四部作」となったことをここでご報告したい。
 今回はマンガではない。マンガばかりではマンガの先生みたいな話になってしまう。しかし、マンガの力は絶大で、今や本屋さんはビジネスコミックが山盛りだ。私の「まんがで身につく孫子の兵法」(あさ出版)も売れた。もうちょっと売れてくれてもいいが・・・。お読みいただいた皆様に感謝。
 それは三作目だから置いておいて、本題は四作目。KADOKAWAさんから「仕事で大切なことは孫子の兵法がぜんぶ教えてくれる」という本が出る。これで孫子兵法関連本が四部作となった。

孫子四部作

 前作が売れたのはマンガのおかげだろと言われないためには、この新刊もそこそこ売れてくれなければならない。是非お読みください。
 タイトルはどこかで聞いたことがあるようなタイトルだが、中身のテーマは「負けない仕事術」。攻める前に守りを重視した孫子ならではの内容だ。
 どうも最近、安易に勝ちを狙い過ぎる人や企業が多い。敵も勝とうとしているわけだから、そう簡単に勝てるわけがないだろう。そこで焦ると、不正や虚偽に手を染めることになるから気をつけて欲しい。勝とうとする前に、まず負けない備えをすることが大切なのだ。
 負けないとはどういうことか。負けたと思っても生きていればまた勝てる。負けたように見えてもそこで諦めてしまわなければまたリベンジできる。臥薪嘗胆である。
 ちなみに、臥薪嘗胆は、私の座右の銘だ。孫子兵法家が、自らの座右の銘を持ち出した孫子兵法の4冊目。これが参考にならないはずはない。
 孫子13篇に沿って、負けないコンセプトでピックアップしたポイントを、まずは日本語読み下し。そしてその現代語訳。そこから現代のビジネスに応用し、負けない仕事をするための解説、という構成でできている。著者の勝手な「超訳」ではなく、ちゃんと現代語訳をつけた。
 もちろん、孫子の原文をそのまま現代語訳するだけなら、漢文の先生にお願いしておけば良いことになるので、私が30年来の経営コンサルティング経験で培ったビジネス応用術を注入してある。特に、20代、30代、40代の若い世代に読んで欲しい。孫子の兵法に興味を持ち、古典の勉強をしてみようかと思ってもらう孫子入門書である。
 2004年の「必勝の営業術55のポイント」(中央経済社)からはすでに10年以上が経った。月日が経つのは早いな。そこから、2010年の「孫子の兵法 経営戦略」(明日香出版社)、2014年の「まんがで身につく孫子の兵法」(あさ出版)と来たわけだが、やはり孫子の兵法は地道に売れるテーマなのだろうと思う。孫子そのものの価値が何しろ大きい。
 この孫子の持つ価値を、21世紀の人たちにより多く知ってもらうこと、活用してもらうことが、孫子兵法家としての私の使命だろう。
 引き続き、精進してまいります。

すでに起こった未来

2015-6-22

 「すでに起こった未来」というタイトルを読んで、P.F.ドラッカーの“THE ECOLOGICAL VISION”という論文集の邦題だなとピンと来た人は、なかなかのドラッカー通だろう。その日本語版が出版されたのは、1994年の11月。そこからすでに20年が経過している。時が経つのは速い。その本の中でドラッカーは、「重要なことは、『すでに起こった未来』を確認することである。すでに起こってしまい、もはやもとに戻ることのない変化、しかも重大な影響力をもつことになる変化でありながら、まだ一般には認識されていない変化を知覚し、かつ分析することである」と指摘している。
 20年前に初めて読んだ時、この言葉に気圧され、経営コンサルタントとして何をすべきか、頭をハンマーで殴られたような衝撃と共に気付かされた。企業経営の過去を見て、それが良いとか悪いとか診断したり、問題点を論って、偉そうな講釈を垂れるのではなく、企業経営者に「すでに起こった未来」について気付いてもらい、その未来をより望ましい形にするお手伝いをしなければ、経営コンサルタントとして高いフィーをいただく価値がない。
 もちろん、研究者でもないし、SF小説家でもないから、まだ見ぬ未来を語ることはできないが、すでに起こった未来をいち早く見つけ、それを教えてあげることはできる。94年に「すでに起こった未来」を読んで、即実行したのが、当時日本で商用利用が始まったばかりの「インターネット活用セミナー」だった。まだほとんどの人がインターネットなど体験したこともない頃で、セミナー会場にわざわざ電話回線を引いて、モデムでピーピーガーガーつないで、画像一枚表示するのに何十秒も待たないといけないようなものだったが、「すでに起こった未来」をお伝えすることはできたのではないかと思っている。もしかしたら、インターネットで海外の無修正エロ画像が見られるということだけを覚えて帰った人もいたかもしれないが・・・。だが20年前はそんな程度だった。まだブラウザはモザイクだったか、ネットスケープだった。インターネットエクスプローラーはまだなかった。あれから20年で、すでに起こっていた未来は、もはや当たり前となり、いつでもどこでも無線でネットにつながるようになった。20年前の昔話はこれくらいで・・・。
 肝心なのは今からだ。数年前から訴え続けており、すでにSales Force Assistantという二次元の世界でのプロトタイプは3年前に商品化もしたのだが、いよいよ現実となり、目の前に未来が現れた、ロボット活用を改めて訴えたいと思う。6月17日に、品川のコクヨホールで『情報システム部門がなくても出来る「戦略的IT活用経営」~システムのコストはゼロに近づく 構築から設定へのパラダイムシフト~』というセミナーを行ったのだが、そこで「すでに起こった未来」を感じてもらうために、pepper君に登場してもらい、受付業務と書籍販売を行ってもらった。

書籍販売をするpepper君
書籍販売をするpepper君

 その日はちょうど日経新聞の一面に、ソフトバンクさんと台湾の鴻海精密工業、中国のアリババが合弁会社を作り、pepperの量産を始めるという記事が出ていた。その後、20日には、pepperの一般販売が開始され、わずか1分で予定していた1,000台が完売したと言う。
 わずか数日でも、一般販売に先んじて、セミナー会場で「すでに起こった未来」を直接見て、触れていただけたのは良かった。ロボットはすでにこうして目の前にいる。すでに起こっていて元に戻ることはない。今後、人と企業のあり方に重大な影響を与えていくことになるだろう。日本においては人口減少も「すでに起こった未来」だから、人手不足でロボットに頼らざるを得ない部分が必ず出てくる。その時、企業経営面で何をしなければならないのかを考え、啓蒙していくのが私たちNIコンサルティングの役割である。すでにSales Force Assistantで実装している「ビジネスアシストロジック」をpepperのアプリとして提供していく準備は進んでいる。ロボットの登場は、今後人材の格差をさらに広げていくことになるだろう。ロボットを使いこなして付加価値の高い仕事を生産性高くこなす人材と、ロボット並の定型的なことしかできずに(もしくは定型的なことさえできずに)必要とされなくなる人材とに分かれていく。それが善か悪かを議論するのは学者や評論家に任せておいて、経営コンサルタントである私は、その変化を企業経営に活かし、それによって苦境に立つ可能性のある経営者や従業員さんに早目に警鐘を鳴らし、変化の必要性に気付いてもらわなければならない。
 企業としての購入もあると思うが、本体は19万8千円としても、通信費や保険料を合わせると3年間で100万円を超える費用を払ってまでロボットを買う人が殺到するという現実は、すでに起こった未来を暗示ではなく明示している。
 ちなみに、同じく17日に実施したセミナーでは、ウェアラブル端末による「すでに起こった未来」も実演させていただいた。Apple WatchやAndroidのスマートウォッチを活用することで、これもすでに「スマートウォッチ版 TOUCH!」という新機能を実装済みで、今後も機能拡張していく。「重要なことは、『すでに起こった未来』を確認することである。すでに起こってしまい、もはやもとに戻ることのない変化、しかも重大な影響力をもつことになる変化でありながら、まだ一般には認識されていない変化を知覚し、かつ分析することである」。
 すでに起こった未来から目を背けないようにしよう。もはや元に戻ることはないのだから。

一日わずか16円のIT活用

2015-4-27

 企業経営において、ちょっとした業務プロセスの自動化、情報の共有化、業務の可視化が必要となることがある。それまで紙の伝票だったり、電話連絡だったり、FAXを送ったり、メモ書きで処理していたような仕事を、ちょっと改善したい、ちょっとスピードを上げたい、ちょっとヌケモレをなくしたい、と思ったりすることがある。
 もちろん、経営コンサルティングをしていると、クライアント先で、「こんなことを未だに手書きでやっているのか」と驚くこともあるし、「ちょっとしたことだからシステム化したらいいのに」と思うことがある。エクセルのデータを一生懸命更新して、それを表にして、グラフにして、社長(会議)に報告しているのはいいが、「たったそれだけのためにどれだけ工数かけているんですか」と突っ込むことも良くある。
 だが、そのちょっとしたことをシステム化、IT化しようとすると、結構なコストがかかり、また時間がかかったりするのも事実だ。ちょっとしたことなのに、システム化する見積をとってみると意外に高い。おまけに何か月もかかると言う。「じゃー、今まで通り、手書きでいいや」となる。「今でも何とか業務は回っているし・・・」となってしまう。
 これが、中堅・中小企業でなかなかIT化、システム活用が進まない実態ではないだろうか。そこそこの規模があり、情報システム部門があって、簡単なプログラミングができたり、表計算のマクロが組めたりするような人がいれば、簡単にできることであったり、それ専用のソフトウェアを買っても充分ペイするだけの業務量があったりするのだろうが、中堅・中小ではそこに壁があって、突き破れない。生産性を上げることができない。特に拠点をまたいで情報共有したり、業務処理を進める場合には、IT化し、ネット活用すべきなのに、そこが越えられない。それで経営スピードを一気に上げることができるのに、だ。
 そこで、我々NIコンサルティングが作ったのが、月額480円、30日で考えれば、一日当たりたったの16円で、簡単に独自の業務アプリケーションを作成できる、ローコスト・クラウド・データベース「nyoibox(如意箱)」だ。箱の中にどんどん情報を入れていく感じで運用してもらえば良い。

クラウド型データベース『nyoibox』(如意箱)

 クラウドだから、サーバーなどの初期投資もいらない。ノン・プログラミングだから、素人でもドラッグ&ドロップで設定完了。もちろん業務が分かっていないとダメだが、「ここをもうちょっとこうしたい」という思いがあれば、それでOK。自分で設定するのだから、作ってみて思うようにできなければ、やり直せば良いだけ。ちょっとした変更で、イチイチお金をとられる心配もなし。当然だが、スマホやタブレットでも利用できる。
 一般的には、Webデータベース、クラウド型データベース、簡易データベースなどと呼ばれるもののようだが、そんなIT業界の呼び方、カテゴリーなど関係なし。要するに、「ちょっとした業務をシステム化」「ちょっとした情報をデータベース化」できれば良い。それもローコストで。おまけにノン・プログラミングで。
 世のWebデータベース、クラウド型データベース、簡易データベースの中には、「何でもできます」と言って販売していながら、実際にはプログラミングしなければ「何でもはできない」というものがほとんどだ。そのプログラミングができる情報システム担当者がいたりするのであれば良いが、それがいないから困っているのだ。イチイチそこを業者に頼んでいては、Webデータベース、クラウド型データベース、簡易データベースを使う意味がないではないかと突っ込みたくもなる。
 ローコスト・クラウド・データベース「nyoibox(如意箱)」は、誰でも、簡単に、プログラムせずにやりたいことができるデータベースだから「何でもできる」とは言えないが、「やりたいことがいろいろ自由にできる」。小さな会社でも利用しやすいように最低利用人数も3名とした。クラウド活用なので、1名で使っても意味がないので、一応3名から。利用人数に応じた課金だから、小さな会社は少なく、大きな会社はそれなりにお支払いいただく。それでも結局は一名あたり480円だから、大した額にはならないはずだ。
 これなら、誰でも、小さな会社でも、システム担当者がいなくても、使えるだろう。我々としては、このツールを使って、これまでちょっとしたことがシステム化されずに、手間がかかっていたようなことをIT化し、経営力を強化し、経営スピードを上げてもらいたいと思う。これぞ「コンサルティングの新しいカタチ」。口先だけ、理屈だけ、良いことを言っておしまいの従来型コンサルティングではなく、実行、実践の方法、道具までご用意。おまけに安い。
 一日わずか16円のローコスト・クラウド・データベース「nyoibox(如意箱)」でIT活用とそれによる経営革新を進めていただきたい。

大塚家具と事業承継

2015-3-30

 実の父と娘とのプロキシ―ファイトとなった大塚家具。同族内での内輪揉めのような話が大きなニュースになり、上場企業として如何なものかとの議論も巻き起こったが、結局、娘の大塚久美子社長側が勝利。上場企業なのだから、株主の賛同を得た方が勝つ、というのは当たり前だが、親子間の事業承継と考えた時には、大いに違和感があった。
 父、勝久氏は、大塚家具の創業者であり筆頭株主でもある。上場したわけだから、創業者だろうと関係ない、議決権ですべては決まると、一般の株主は言っていいと思う。それは当然だ。だが、実の娘が言うなと言いたい。娘が創業者の父親に対して会社の私物化を指摘する場面もあったが、兄弟が何人も会社に入り、現に娘が社長になっている時点で、同族が特別扱いされている。同族経営が悪いわけではない。上場企業でも同族で世襲している企業は少なくないし、非上場ではほとんどが同族だ。その同族経営で、創業者の娘だから社長になったのに、その娘が創業者を否定するのか・・・・。自己矛盾を引き起こさないか。父親のガバナンスに問題があると言うなら、その父親のおかげで社長になった自分にも問題があるということになるだろう。
 これが赤の他人ならいい。創業者だろうと、特別扱いしなくていいし、後継者がより良い戦略や方針を打ち出したにも関わらず、創業者が従来路線に固執して邪魔をするなら、老害を排除すべく株のシェアによって決着をつければ良いだろう。上場したのだから仕方ない。
 しかし、自分が生まれた頃に父親が創業した会社だ。両親が仕事を頑張っている姿を見て来ただろうし、その会社が成長し成功したからこそ良い教育も受けることができたのだろう。そしてその会社は上場まで果たした。それを成し遂げた父親の花道を実の娘が汚してしまうのか・・・。親父の好きにさせてやれよ・・・と思う。経営方針が気に入らなければ、別会社でも作って思うようにやればいい。株主総会に、母親まで出てきて、娘の批判をするのを聞いて、こっちが悲しくなった。未上場の小さな会社なら、見えないところで好きにすればいいが、上場企業で同族の争いをするなと言いたい。親父さんと顔も似ている・・・。これがまたなんとも悲しい。
 事業承継は、企業にとって大きな問題だ。多くの場合、社長の実子が継ぐことが多いが、最近は子供がいないとか、いても継がないとかで、第三者の承継も増えつつある。多くの企業の事業承継を見て来たが、後継者が同族でも、そうではなくても、先代や創業者へのリスペクトがないとうまく行かないと思う。先代に言うべきことは言えばいいし、何でも言うことをハイハイと聞けと言いたいわけではないが、議論の決着がつかなければ、最後は先代を立てておく方がうまく行くし、議論して決着がつかないような話は、どちらに転んでもいいような話なのだ。
 大塚家具の場合も、父親は高級路線、娘は低価格化で、どちらもやり方次第。経営にこれが正解という決まった答えはない。娘側の方針で今後どういう展開になるのかは、楽しみだ。現状、結構高い粗利率をキープしていながら赤字に陥っているくらいだから、ヘタな低価格化は、余程数量を伸ばさないと余計首を絞めることになりそうだ。
 どうしても私が創業者だからか、創業者の方に思い入れを持ってしまうが、事業承継には、先代への敬意と配慮が必要であり、同族の場合には余計、自らの寄って立つ後ろ盾を否定するようなことはしない方が良い。今回の騒動で、事業承継を考えている多くの企業が、後継者選びをどうするべきか今一度考え直していることだろう。その契機となったのは良いが、何とも後味の悪いお家騒動であった。
 大塚家具には行ったこともないし、今後もあまり用はなさそうなので、どうなってもいいが、ファンドか何かにいいように手玉にとられて結局経営権を失った、ということにならないように祈る。親父さんの側も、ズルズルと娘と争わず、株を全部売って、その金で長男と高級家具店でもやってもう一旗揚げてはどうか。その方が老後も楽しい。
 世の経営者のみなさん、後継者選びは慎重に。後継者のみなさん、親の経営が気に入らず、いくら議論しても納得してもらえなければ、黙ってそこから立ち去りましょう。

世界一から日本一を見る

2015-1-21

 毎年1月には、全国の拠点から社員が集まって「全社大会」と呼ぶイベントを行っている。12月が決算で、1月は期初でもあるので、経営方針などを発表したり、優秀社員の表彰を行ったりするのだ。そして後半は観光。昔風だと慰安旅行。なんだか慰安という言葉はイメージが悪いな・・・。それはさておき、全国から人が集まって、方針発表のための会議も行って、尚且つ観光スポットにも行こうとすると、場所に困ることになる。毎年、どこにするかとても悩ましい。
 今年は、横浜!!近っ!!東海道線ですぐ。これでは旅行気分にもならないので、全国から品川の本社に集まって、バスで横浜へ。バスでもすぐだな。昨年3月に本社が移転したので、拠点の社員は本社に来たこともないということで本社見学を済ませ、横浜へ。横浜といえば港。だがベイエリアはとれず、シェラトン。横浜駅、それも西口じゃないか!!
 社員の中には「私の家はここからすぐのところです」なんてことを言いに来る者も・・・。旅行気分になれないということを訴えに来たのか、横浜駅近くのいい場所に住んでいるでしょということを訴えたいのか、皮肉か嫌みか分からないが、そんな人もいるので、方針発表を終えたら夕食は中華街へ。これまたバス。電車に乗ったらすぐなのに、グルグル回って渋滞して結構時間がかかった。
 横浜駅あたりは学生時代にうろちょろしていたところで、懐かしさもあるが、さすがに結構変わっている。なんてことを考えながら、シェラトンの上層階からは、横浜港が綺麗に見えた。やはり港が見えないと横浜じゃない。
 で、ここからが本題。二日目は、横浜ではなくスカイツリー。東京じゃないか!それこそ電車ですぐなのに・・・と思うが、普段行く用もないし、こういう時にしか展望台にも上らないだろうから、まぁいいことにする。
 こんな感じ。


 青い空に白いツリーが映える。開業して3年近くが経っていて、もう人気も落ち着いているだろうと思ったら、展望台へのエレベーターはすごい人だった。全高(尖塔高)634メートルの世界一高い電波塔。やはり一番に人は集まる。展望台から東京タワーが小さく見えた・・・・。東京と言えば東京タワーだったのに、一番でなければ輝きを失うということか。。。少しさみしい気分に。
 展望台で一番人気は、日本一の富士山。天気が良くて富士山が綺麗に見えた。みんなが富士山方向に集まり、一生懸命写真を撮っていた。やっぱり一番が人気。二番手三番手ではダメなようだ。世界一のタワーから日本一の山を見て、改めて高みを目指さなければならないと決意する。低いところで、まぁこんなものでいいかなと思っていては人を集め、元気づけることはできない。


 スカイツリーでたまたま出会ったのだが、楽しかったのはロボットだ。千葉工業大学の展示スペースがあって、楽しませてもらった。無料だ。


 原発事故の時にニュースでも取り上げられていた作業ロボットの実演もあった。ゲームのコントローラーのようなもので操作ができる。人型ロボットもいたが、千葉工大では、研究室の学生さんたちが当たり前のようにロボットを作っているそうだ。もうあと5年もしたら、こんなロボットたちが普通に活躍する世の中になるだろう。軍事用ロボットでは米国に勝てないだろうが、それ以外の分野では日本が一番にならないといけないと思う。人口減少に打ち勝つ道はこの道しかないと私は考えているので、たまたまではあるが楽しかった。世界一から日本一を見ながらロボットのいる未来を想像する。そんな夢見る少年気分を味わった全社大会だった。

スパークリングな年末年始

2015-1-5

 明けましておめでとうございます。2015年もよろしくお願いいたします。
 さて、年末年始はどう過ごされましたか?私はふとしたことで、スパークリングな年末年始を過ごすことができました。普段はコンビニ中心の生活を送っているのですが、さすがに年末年始くらいは・・・と正月用の食材を求めて買い出しに。
 そこで出会ったのが、スパークリング清酒。発泡日本酒ともスパークリング日本酒とも呼ぶようですが、炭酸ガスを含んだシャンパンのような日本酒です。普段は酒などほとんど飲むこともなく、土日に軽く一本、ビールじゃなくて発泡酒を飲む程度で、ましてや日本酒など飲んだりすることは滅多にないのですが、「ぜひお正月に飲んでください」と可愛い瓶たちが並んで私に声を(?)かけてきたのです。
 実は、CMで見た透明な梅酒に興味を持って、なぜ梅酒なのに透明なのか・・・を突き止めるべく酒売り場に迷い込んだのです。そうしたら、透明な梅酒を見つける前に、目に飛び込んで来たのがスパークリング清酒です。
 まず瓶が可愛いのです。女性向けなんでしょうね。まぁ正月だし、日本酒もまたよし。せっかくだから飲み比べをしてみるかと、その売場にあったスパークリング清酒を一本ずつ買い込んで帰ったのです。
 調べてみると、スパークリングとは呼んでいなかったでしょうが、戦前からあるらしく、20年ほど前から酒造メーカーがこぞって参入し、今では100銘柄を超えるそうです。言われてみれば、どこかで飲んだこともあるような・・・と思いつつ、飲んでみると、甘くて炭酸も利いて、飲みやすい。アルコール度数は低めですが、これで調子に乗って飲んでいたらヤバイやつです(笑)。やはり女性向けを意識した商品なのかな。一日で一気に試し飲みしたかったけれども、正月早々飲み過ぎて吐いたりするのも何なので、日にちを分けて飲み比べ。
 どれも美味しかったけれども(味が分かるほど酒飲みではないわけですが)、飲み比べした中で一番美味しく感じたのは、これ。


飲んだ証拠に栓を開けた瓶を後からスマホで撮影

 ワンカップで有名な大関さんの、「花泡香」です。
 商品紹介サイトを見てみたら、酒文化研究所(よく知りませんが・・・)が主催する「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2014」の「スパークリングSAKE部門」にて最高金賞を受賞していました。なるほど!!美味しいのも納得。私の舌が良いのか、たまたまなのか分かりませんが、こんな賞があるんだなと感心した次第。ワイングラスが基準で、日本がそれに迎合しているようではありますが、たしかにワイングラスで飲みたい感じのお酒です。日本酒の飲み方を拡げるのにいいですね。日本にある良いものを、現代風にアレンジするのは、この日本酒に限らずもっとやったらいいと感じます。
 と、ふとしたことから興味を持って、いろいろ調べていたら、製法や種類もたくさんあるので、まだまだスパークリング清酒の世界を探求してみないといけません。透明な梅酒の謎に迫るのはまだ先になりそうです。2015年をスパークリングでエキサイティングな一年にしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

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