孫子の兵法

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千里を一気に飛ぶコンタクトレス・アプローチ

2020-06-17

 長距離・長時間の移動は営業効率を著しく阻害する。泊りがけの出張対応ともなれば尚更だ。時間もかかるがコストもかかり、本人の疲労もあるだろう。加えて、今は新型コロナウイルスの影響で、客から「来るな」と言われ、法人営業だと「在宅勤務なので来てもらってもいませんよ」と言われる。在宅勤務中の自宅にズカズカ押し掛けるわけにも行かない。
 そこで、「コンタクトレス(非接触)アプローチ」だ。コンタクトレス・アプローチとは、「顧客へのリアル訪問(コンタクト)を減らして、逆にアプローチ数を増やすことでより大きな成果を上げる一連の営業行為」を言う。WEBを使って千里の道を一気に飛び、非接触で商談を進めるのだ。
 孫子は、

『千里を行きて労せざる者は、無人の地を行けばなり。攻めて必ず取る者は、其の守らざる所を攻むればなり。守りて必ず固き者は、其の攻めざる所を守ればなり。故に、善く攻むる者には、敵、其の守る所を知らず。善く守る者には、敵、其の攻むる所を知らず。微なるかな微なるかな、無形に至る。神なるかな神なるかな、無声に至る。故に能く敵の司命を為す。』

 と、教えてくれている。千里もの長距離を遠征しても疲労が少ないのは、無人のサイバー空間を移動しているからだ。まさに、微なるかな微なるかな、形も無く、目には見えない。神なるかな 神なるかな、車の音も、電車の音も、飛行機の音もしないのに、たしかにそこにやって来て、顔を見ながら話ができる。
 もし、孫武が、この21世紀に現れて、「コンタクトレス(非接触)アプローチ」を知ったら、「微なるかな微なるかな、神なるかな神なるかな」と感嘆し感動したことだろう。戦争に置き換えればサイバー攻撃のようなものか。姿かたちもなく、音もなく、攻撃され、データを抜かれたり破壊されたりする・・・。
 もちろん、「コンタクトレス(非接触)アプローチ」は平和利用であって、誰かを攻撃するわけではないし、4つのメリットがある。これを4Eと呼ぶ。
       ◇Environment        環境
       ◇Ecology               生態系
       ◇Efficiency             効率
       ◇Economic            経済的
の4つであり、資源を無駄遣いせず二酸化炭素の放出も抑えて地球に優しく、時間効率も良くてコストも引き下げられるということだ。ESGやSDGsに取り組んでいる企業は絶対に取り組むべきものだろう。
 そして、もちろん、Antivirus、ウイルス感染対策にもなる。だが、ウイルス感染対策はオマケみたいなものだ。ウイルス感染はやがて終息するだろうし、ワクチンが開発される時もやって来る。そうなってもコンタクトレス・アプローチを増やして行きたい。なぜなら4Eという大きなメリットがあるからだ。千里の道を一気に飛ぶことによるメリットだ。
 今現在、コロナウイルスの感染が騒がれている間に、コンタクトレス・アプローチを進めるべきである。客の側が、「来るな」「訪問しなくていい」と言ってくれていることを逆手にとって、コンタクトレス・アプローチを当たり前にする。これを他社に先んじて進めることが出来た会社が、このコロナ騒動を逸早く抜け出し、Afterコロナ時代に優位に立つことが出来るだろう。
 コロナで営業が出来ない、移動が出来ない、商談が進まない、と言い訳しているヒマがあったら、コンタクトレス・アプローチの体制を整えて、リアル訪問以上の成果をあげられるようにすべきである。それが孫子の「千里を行きて労せざる」兵法の実践である。

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