孫子の兵法

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2021-08-17

 孫子の兵法で1、2を争う有名な一節に「風林火山」がある。日本の戦国時代、無敵を誇った武田信玄が旗印として掲げたことで知られる一節だ。だが、元の孫子では「風林火山」で終わらず、「陰雷」が続く。

『其の疾きこと風の如く、其の徐なること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如く、知り難きこと陰の如く、動くこと雷震の如し。』

 という一節である。風林火山部分は良く知られているので端折るが、続けて「陰のように実態を表に見せないことによって敵に味方の情報を与えず、動く時には雷のように突如として機動しなければならない。」と教えてくれている。「風林火山」には続きがあったわけだ。孫子に詳しい人には当り前のことだけれども、孫子に馴染みが無ければ、「風林火山」は聞いたことがあっても、それに続きがあることは知らないのではないか。
 といったことから、孫子の兵法を現代のビジネスに活かす孫子兵法家としては、「風林火山」が分かりやすいので、それを営業活動に活かす「営業風林火山」というものを提唱してきた。
「営業の速きこと風の如く、傾聴すること林の如く、提案すること火の如く、値引かざること山の如し。」
 という孫子の現代応用編だ。
 簡単に説明しておくと、まず、営業で大切なのがスピード。速きこと風の如く、何事も速くやること。顧客は忙しいのだ。こちらも暇な客を相手にしている暇はない。次に顧客の話を聴く。静かに聴く。素直に聴く。喋り過ぎない。気持ちよく話してもらうために、まるで森林浴でもしてもらっているかのような心地よい傾聴姿勢が必要だ。そして、顧客の話を聴き、相手の事情を理解したら、いざ提案である。顧客を理解してこそ提案が許されるわけだが、提案する時には、火の如く熱い提案をしたい。「お客様のためにお役に立つ」という熱い思いで提案せよ。しかし、いくら顧客の立場に立つ、顧客の心情を理解すると言っても、過度な値引きを要求されたり、過剰なサービスを強要されたりする場合には、値引かざること山の如し。ガンとして動いてはならない。値引きとは、最も安易で、最も簡単な販促方法であって、一度やり始めるとそこから抜け出せなくなる、というものだ。
 従来は、これで良かったし、「風林火山」で分かりやすかったのだが、この度、ラジオの番組でリクエストがあって、「陰雷」も加えてみた。それが「営業風林火山陰雷」だ。こうなった。
「営業の速きこと風の如く、傾聴すること林の如く、提案すること火の如く、値引かざること山の如く、コンタクトレスで陰の如く、イザ訪問すること雷震の如し。」
 ちょっと長くなって、キレがない感じにはなるが、「陰雷」部分を解説しておきたい。
 新型コロナウイルスの蔓延によって、営業活動には非接触の「コンタクトレス・アプローチ」が求められている。会えない難しさはあるが、逆に、リモートで、オンラインで、Zoomで、世界中に神出鬼没。まるで陰のように、実体はいないけれどもそこにいるという状態で営業活動が出来る。詳しくは拙著「コンタクトレス・アプローチ」をお読みいただきたいが、コロナ禍が長引いていつ終わるとも知れない中で必須となる営業アプローチだ。コロナが消えてもまた新しいウイルスが出て来る可能性もあるし、営業活動の敵である移動時間を劇的に減らせるメリットもあり「コンタクトレス・アプローチ」は今後も定着するだろう。
 だが、一切会えない、一切訪問しない、リモート限定となっては「インサイドセールス」であって、重要商談、高額商談はまとめ切れないし、「最後は会って話をしたい」「一度はどんな人か会っておきたい」と言われるシーンで対応出来なくなる。そこでイザという時にはリアル訪問も辞さない姿勢が必要となる。もちろん、それはイザという時であって、呼ばれて飛び出てホイホイ参上しますと言っていては効率が落ちる。そこでピンポイントで、狙いすまして、ここぞという時に、まるで雷が落ちるような勢いで一点集中で訪問すべし。
 これが「営業風林火山陰雷」だ。「営業風林火山」の進化バージョン、アップグレードだと考えて欲しい。2500年前の孫子の兵法を現代に応用する孫子兵法家も、さらにその時代の変化を受けて改善し、進化していると捉えていただくと良いだろう。

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