孫子の兵法

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敵を侮ってはならない

2022-08-16

 ビジネスでも戦争でも同じだろうが、つい自社びいき、自国びいきで、「うちの会社があんな会社に負けるわけがない」「我が国があの国に負けるはずがない」などと過信と勢いで敵を軽く見がちなことがある。その方が威勢が良く、味方を鼓舞するには適当であったりもする。リーダーが戦う前から「いや、敵は強いぞ、こちらは負けそうだぞ」と部下に言っているようでは、わざわざ戦意喪失させるようなものだ。
 また、実際に自社の方が強くて大きいというケースもある。売上も社員数もこちらが優位だとなったら、それこそ「あんな会社に負けるはずがない」と考えておかしくないだろう。だが、孫子は、それでも決して敵を侮ってはならないと説いている。

『兵は多きを益ありとするに非ざるなり。惟だ武進すること無く、力を併せて敵を料らば、以て人を取るに足らんのみ。夫れ惟だ慮り無くして敵を易る者は、必ず人に擒にせらる。』

 孫子は、戦争においては、兵員が多ければ良いというものではないと断言している。彼我の戦力比較をシビアに行い、勝てない戦はしてはならないというのが孫子の基本であるが、ここでは兵力が勝っていればいいというものではないと説いているのだ。兵力を過信して猛進するようなことをしないのは当然だが、戦力を集中させ、敵情を読んで戦えば、仮に兵力が小さくても敵を屈服させるに充分であると言うのだ。そして、そもそも彼我の戦力分析もせずよく考えもしないで敵を侮り軽はずみに動くようでは、敵の捕虜にされるのが落ちであると念押しもしている。
 敵に対して怖気づいたり、とても勝てそうにないからと戦うことを諦めてしまうようなことでは、国王、将軍、リーダーは務まらないが、虚勢を張らず、常に謙虚に客観的な兵力分析を行い、戦略を練って、ここぞというところに戦力を集中させて戦えば、より強大な敵にも勝てるというのだから、弱小企業にも希望がある。
 「あんな会社、大したことないな」と高を括っていた新興企業が、あれよあれよという間に自社を追い越して成長して行ったということはないだろうか。私はある(笑)。孫子兵法家なのに、ある・・・。という反省を込めて、改めてこの節をお伝えしておく。孫子兵法、行軍篇の一節である。
 決して、敵を侮らないようにしよう。

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