孫子の兵法

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スプリンクラーで水攻めせよ

2021-04-15

 孫子の最後には火攻篇があり、火攻めのやり方について書かれている。わざわざ一篇を使って解説するくらいだから、火攻めを重要視していることは間違いないが、一方で水攻めや水そのものについて言及している箇所も孫子には多い。たとえば「激水の疾くして、石を漂わすに至る者は勢なり。」や「兵の形は水に象る。」もそうだし、「積水の計」などもある。火攻篇でも孫子は、

『火を以て攻を佐くる者は明なり。水を以て攻を佐くる者は強なり。水は以て絶つ可きも、以て奪う可からず。』

 として、水攻めにも言及している。火を攻撃の助けとするのは、明晰な頭脳や智恵であり、水を攻撃の助けとするのは、強大な兵力による。水攻めは敵を分断し孤立させることはできるが、敵の戦力を奪い去ることはできないという教えだ。
 水攻めは、敵の戦力を奪い去ることまではできなくても、分断させ、孤立させることはできるものであり、要は使いようである。そこでのポイントは、強大な兵力があること。これはダムや堰を作ったり壊したりする土木工事力が必要だと考えれば良い。
 さて、ここで、この土木工事力を現代のビジネスに置き換えた時にどう考えるかが問題だ。単に企業規模の差と考えてしまっては、間違いではないけれども、工夫の余地もなくなる。規模が大きければ勝つ、で終わり。それよりも、ダムの大きさと考えるべきである。ダムとはもちろん顧客のダム。データベースだ。これなら企業規模が小さくても工夫次第で大きくできる。
 顧客のダムは大きければ大きいほど良い。顧客データベースなのだから当然だ。企業規模、社員数の大きさに伴ってダムが大きいのは当り前だが、社員数も少ないのにダムを大きくできた場合には価値が高いが、次の問題が生じる。ダム湖が大きくなり、その中には魚(顧客)がたくさん泳いでいる。しかし、その魚に餌をやる人間が少なくて手が回らない、という問題だ。魚は放っておくと死んでしまう。放置顧客は離脱するということだ。そこで、少ない人数で大きなダムのお守りをするには、スプリンクラーを使って一気に撒き餌をすることを考える。
 そのための武器が、Approach DAMであり、メール配信のSprinklerオプションである。まさに孫子の兵法「積水の計」を実践するための武器であり、規模がモノを言う水攻めを効率的に行うために孫子兵法家が開発したシステムである。
 コロナ禍もあって、多くの企業が、新規の顧客開拓に苦労している。せっかく新規客と商談できても、すべてを受注・契約に持ち込めるわけではない。貴重な顧客をダムに貯めよう。ダムを大きくし、ダムの中で泳いでいる顧客のケアにはスプリンクラーを用意しよう。ダムが大きくなればなるほど、一回の工数で多くの顧客にアプローチでき、単位コストを下げることができる。これが孫子の「水を以て攻を佐くる者は強なり」という教えの実践だ。
 コロナ禍がいつまで続くかは分からないし、仮に収束しても、在宅勤務が増えたりしてかつてのように顧客とのコンタクトがとれなくなる可能性が高い。元より日本は人口減少でマーケットは縮小していくわけだから、放っておくと客は減る。顧客を貯める努力が必要であり、ダムを大きくする水攻めの重要性が増すことになるのだ。

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