孫子の兵法

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世の流れをつかみ流れに逆らうな

2023-01-31

 久しぶりの投稿である。昨年は戦意を喪失し、孫子兵法の出番も減ってしまったからだ。孫子兵法家がそんなことではいけない・・・と思い直して、今、このブログを書いている。
なぜ戦意を喪失してしまったのか。それは、2022年1月から施行される改正電帳法のために全兵力を投入して電帳法対応の武器を強化したのに、2021年の年末ギリギリになって宥恕措置なるものが発動され、2年間の先送りとなったからだ。
2021年はほぼ丸一年、電帳法対応に我が社の開発力を投入した。本来経理業務は我が社のコンサルティングの範疇ではないし、会計システムを売りたいわけでもないのだから電帳法がどうなろうと無視していても良かった。だが、あまりにも多くの企業が電帳法の改正内容を理解していないし、準備などまったくと言って良いほどできていなかった。「こんな状況で大丈夫なのか」「多くの企業が困ってしまうのではないか」と真面目に心配したのがいけなかった。
 ついつい、NI Collabo 360の経費精算機能支払管理機能を大幅バージョンアップして電帳法の要件に対応させ、電子保存のための電帳法ストレージというオプションも用意した。法対応の要件が不明瞭だったから、国税庁に何度も問い合わせ、確認しながら、急ピッチで開発を進めたわけだ。特に秋頃からは残り時間が少なくなって、社員にも無理をさせてしまった。月額360円(税込)のNI Collabo 360に、標準機能で電帳法対応させるのに、だ。さすがにストレージが別途必要になるのでオプションはつけたが、基本機能は360円に込み込みである。頑張って機能強化しても、単価が上がるわけでもない。それでも、このままでは2022年1月施行に多くの企業が間に合わないという使命感と危機感で大急ぎで開発を進めたわけだ。啓蒙のためのセミナーもやった。毎回満員御礼だった。この時点でもまだ電帳法についての理解ができていない企業が多かったからだろう。
 だが、12月も10日ごろになり、年内残りわずかとなった時点で、政府税制調査会の税制改正大綱が出て2年間先送り・・・・・・・・・・・・・。国税庁様のご意向に沿って頑張って来たことは水の泡と消えた。
 案の定、年が明け2022年になったら、多くの企業は「2年間の猶予があるんだからまだやらなくていいでしょ」というモードに入ってしまった。世のため人のために良かれと思って、必死に頑張ったのに水の泡。これでやる気を維持しろという方が無理な話だ。ということで、戦意喪失。もう好きにしてくれ状態。そうして2022年が過ぎようとしていた昨年12月。また税制改正大綱が出て、さらに電帳法の要件変更あり。ついでにインボイス制度も要件緩和。
 毎年毎年、ギリギリになって言うことが変わるのだ。会計系のシステムなどを作っている企業の皆さんに敬意を表したい。「よくやっていますね」と。まぁ彼らは慣れたもので、どうせ変更があるだろうと思ってやっているのかな。。。。孫子兵法家が真面目に考え過ぎていたのがいけなかったのだろう。地を知り、天を知ることができていなかったと大いに反省した。
 孫子は、

『彼を知り己を知らば、勝、乃ち殆うからず。地を知り天を知らば、勝、乃ち全うす可しと。』

 敵の状況や動きを知り、自軍の実態を把握していれば、勝利に揺るぎがない。その上に、地理や地形、土地の風土などの影響を知り、天界の運行や気象条件が軍事に与える影響を知っていれば、勝利を完全なものにできる、と教えてくれていたのに。
 他の電帳法対応システムと自社との比較にばかり気を取られ、「これなら絶対に勝てる」と思っていたのだが、それだけでは万全ではなかった。税法、税制という土地をよく理解していなかった。政府税調がこんなギリギリに大幅な変更をするなんて知らなかった。国税庁が言っていることをころころ変えることを知らなかった。そして、世の流れも読み切れていなかった。多くの人や企業は、「こんなギリギリになって変更するとは何事か、これまで準備して来たことが無駄になるじゃないか」と怒るのではなく、「先延ばしにしてくれてありがとう。まだ準備してなかったからね」と喜んでいた・・・。政府与党が頑張って国民の皆さんをお救いしましたよ~、ギリギリの攻防だったから年末ギリギリになったけどね~、ということだろう。必死に頑張って期限に間に合わせようとして馬鹿を見た。
 さて、そうしたことで迎えた2023年は、10月にインボイス制度がスタートし、12月末で電帳法の宥恕措置が終了する。いよいよなのか、またギリギリで肩透かしを食らうのか、よく分からないが、世の流れをつかみその流れに逆らわないようにしたいと思う。
 私は、インボイスがあろうとなかろうと、電帳法がどうなろうと、企業のデジタル化は進めるべきであり、その前提としてペーパーレス化は必須だと考えているので、NI Collabo 360はインボイス制度にも対応させたし、AI-OCR機能も強化した。これはデジタル化、DXという世の流れである。税金や国税庁のために経営をするのではなく、自社の生産性を上げ、より多くの価値を社会に提供するために経営をしようではないか。そのために孫子兵法家も頑張っていく所存である。

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